交通騒音など窓や壁を透過してくる外部からの騒音や、空調機やエレベータなど内部の設備騒音を「室内騒音」といい、より良い防音室空間の環境を左右します。
この室内騒音を表す値として【NC値】を用います。
NC値とは?
NC(Noise Criteria)値 は、アメリカの音響学者、L.L.Beranek(ベラネック)氏が提案し、オフィス内騒音(空調騒音などの広帯域スペクトルを持つ定常騒音を対象)の実態調査と、そこで働く職員へのアンケート調査を基にまとめられました。
NC値の測定方法
測定点にて騒音計(1/1オクターブバンドフィルタ付)で63Hz~8kHzまでの各周波数帯域の値を読みとり、NC曲線【表1】にあてはめ、全てのポイントで下回る数値がその部屋の「NC値」となります。
例えばオフィスにおいて、我慢できる騒音の大きさの限度はNC-40程度とされています。
高低音すべての周波数の音がNC-40の曲線を下回れば、NC-40以下の騒音に抑えることができます。
NC値と会話のし易さ
NC値は騒音に対する基準値として広く使われ、室の用途に対する推奨値も示されています。
空調機等の設備騒音
外部騒音に対する遮音対策が強くなされているレコーディングスタジオ等に関しては、空調設備騒音等の室内で発生する騒音によって、NC値が左右されることが殆どです。
空調設備には大きく分けて「ダクトタイプ」と「天井カセットタイプ/壁掛けタイプ」の2種があります。
- ダクトタイプ
ダクトタイプの空調機は、消音装置との組合せにより空調が稼働していても静かな環境を保つことができます。設置する消音装置にもよりますが、NC-20~M.A.F.(Minimum Audible Field:最小可聴音場)程度になります。 - 天井カセット型タイプ/壁掛けタイプ
天井設置/壁設置タイプは、空調機が稼働しますと一般的なオフィスの騒音レベルと同等になります。消音タイプの換気設備を用いることで空調が動作していない時の静けさが確保できます。
空調使用時はNC-40~30程となります。