防音ご依頼内容
子供の音大受験に備えてグランドピアノを購入予定です。
集合住宅で平日夜間や休日に練習時間を確保できる防音室を希望します。
閉ざされた空間ではなく、開放的な防音室にしたいです。
建物概要
- 構造 : RC造マンション
- 施工階数 : 6階
- 部屋の広さ : 3.7畳(施工後の内法面積)
遮音性能
- 室内 : D-50程度(開口部除く)
- 上階・隣戸 : D-65程度(開口部除く)
使用楽器とお部屋の用途を教えてください。
使用楽器はYAMAHAのC3グランドピアノです。防音室竣工にあわせて設置しました。
子供(高校生)のピアノ練習がメインの部屋です。
<お客様自身の演奏による防音性能検証ビデオ>
防音室を造るきっかけは?
部活の関係で子供は毎日帰ってくるのが遅いので、平日は練習出来て1時間くらいでした。
「1曲練習してたら1時間終わっちゃった。。。もっと夜遅くまで練習できないかしら?」
集合住宅ですので音の問題がありました。
マンションの規約では、楽器音を出せるのが9:00~20:00。
例えば、土日等のお休みの日に、規約上では朝9時から音が出せると言っても、周囲の方が休日の朝をゆっくりされているだろうと思うと、午前中は音を出さないようにという気持ちになってしまいますよね。
また、1回の練習で長時間弾くと周囲にもご迷惑かなというのもありました。
ピアノを弾く時間帯や練習時間をいつも気にしなければならない状況だったんです。
「防音室を造れば、9:00~20:00の間でも思いっきり弾けるかな?」
以前はアップライトピアノを使用していました。
グランドとアップライトでは音色や音響も全く違ってきますよね。
グランドピアノは床への音の伝わりが多くなって周囲にもっと響くと聞いた事があり、グランドピアノを入れるなら防音室は必須だと思っていました。
そもそものきっかけは子供の進路。“音大のピアノ科に行きたい”という本人の希望があったからなんです。
趣味で弾く程度ならアップライトでも充分だと思っていたのですが、音大受験となれば自宅でもグランドピアノを弾ける環境は必要だと感じていました。
昨秋ぐらいに進路の方向性が決まって、そこから防音室の施工業者を探し始めた訳です。
見積りは何社されましたか?また、業者探しはどのように行いましたか?
防音室の検討をはじめたときは、某音楽メーカーの簡易防音室しか知識がありませんでした。
ところが、たまたまマンション内で実際に同製品を使われているお宅のお隣さんが私の友人で、友人曰く「いや、全然ピアノ聞こえてくるよ~」と言うんです。
それを聞いた瞬間に、簡易防音室は無しだなと思いましたね。イチから造らないといけないんだなと。
業者さんはインターネットで探したんですが、実は1社(DSPさんだけ)にほぼ近いんです。。
DSPさんの他にもう1社見積もり依頼をしたんですが、そちらからはお返事がありませんでした。
当初の計画では、1社はある程度予算をかけてしっかり防音室を造ってくれる業者、そしてもう1社はなるべく予算をかけずに防音をしてくれる業者の2パターンで見積もり依頼をしようと思っていたんです。
業者選びのポイントは?また最終的に当社を選んでいただけた理由は何ですか?
私も主人もDSPさんを気に入ったのは、驚くほど対応が早かったところ。
すぐにお返事を下さるし、すぐに現地調査にも来て下さいました。
防音工事を急いでいた事情があったので、のんびり対応されてしまうと困る部分があったんです。
DSPの営業スタッフさんが本当にポンポンお返事を下さって、これは信頼してお任せできるねという結論になりました。
それとホームページに施工例がたくさん掲載されていたのがとても参考になり有り難かったです。
こんなにたくさん施工例が掲載されている業者さんは無いんじゃないでしょうか。
ご契約前に当社施工の防音室ご見学はされましたか?
はい、川崎市O様邸ピアノ室を見学させていただきました。
アポイントの段階で、私たちの施工条件に近いお宅をご紹介くださったので、とても参考になりました。
- こんなイメージで防音室ができるんだ
- これだけ音が聞こえなくなるんだ
- 防音室の中はこんな感じなんだ
- こんな時間まで音出しができるんだ
目で見て、耳で聞けて、さらには実際に毎日使われている方から使用感を直接聞けるなんて、ショールームでは不可能ですし、とても貴重な体験でした。
もし契約をするのであれば防音室の見学後というお話だったのですが、実は私たちの中では、DSPさんと最初に連絡を取り合ってる段階で「ここにお願いしよう」という風に決めていたんです。
サッシ(引き戸)タイプの防音室はご存知でしたか?
DSPさんのホームページで初めて知りました。
防音室というと重いドアをガチャっと空けるイメージがあって、閉鎖的な空間で何時間も練習しなくちゃならないのかなと思っていました。
サッシタイプの防音室があるのを見た時は、本当に目から鱗が落ちる状態でした。
それくらいサッシの防音室は魅力的でした。
お打合せでの当社スタッフの対応や説明はいかがでしたか?
我が家の工事は大変な部分がたくさんあったと思います。
例えば、防音室を計画していた和室にはエアコンを取付られる処理は元々されていませんでした。そこをどのように処理して設置可能にするか等、技術的な事も分かりやすく説明してくださいました。
それなので、契約までに不安だった部分というのはありませんでしたね。
防音室プランニングでこだわった点はございますか?
なるべく開放的な防音室にしたいと思っていました。
そういった要望を伝えたところ、ちょうど施工中の物件で参考になる現場写真を見せて下さったんです。
それを踏まえて、サッシ面だけではなく、それ以外の壁面にも窓を付けましょうという風になりました。
「ピアノ室内で練習する当事者にとって、どれぐらいの窓サイズが心地良いのか?」
そういった視点からプランニングをしてくださったんです。
窓代わりにもなるけれども、あまり室内の様子が外から分からない、でも良く見れば分かるというサイズと、さらには玄関のスリット窓(3枚)との意匠バランスを考慮して、3枚のFIX窓を設置する事になりました。
また、こだわった点とは違うかも知れませんが、基本的に親だけで防音室プランニングを進めてた部分もあったので、音響調整用パネルの色(カラー)に関しては子供に決めてもらいました。
工事着工から竣工までの間、現場監督や職人の対応はどうでしたか?
基本的には鍵をお預けして、日中は現場監督さんにお任せしていました。
毎日仕事から帰ってくる時間帯にスタッフさんや職人さんと顔を合わせる感じでしたね。
本当に皆さん誠実な方達でびっくりしました。
「誰も居ない部屋に職人さんを入れるなんて大丈夫なの??」
実家の母がとても心配して、工期中に1度来てくれた事があったんです。
「大丈夫ね~。あんな方達だったらお任せして安心だわぁ。」
1日お会いしただけで安心してしまったみたいで、それからは1度も来なかったです(笑)
最後のお掃除まで毎日毎日丁寧にやってくださったので、私たちが住みながらの工事でしたが気持ち良く過ごさせてもらいました。
工期は予定通りに進みましたか?
はい。これも本当に助かりました。
実はここに住むタイミングでリフォームを1度しているんですね。
なので、大きなリフォームは今回が2回目という事になります。
前回リフォーム時は工期がかなり延びたんです。そういった経験から、工期はあって無いようなものという認識でした。
ところがDSPさんは、防音工事前にいただいた工程表そのままに作業が進んでいきました。
防音室竣工後にはピアノ搬入の日程を組んでいましたし、仮に工期が遅れた場合には、マンション管理組合への申請もやり直し、調律師さんの手配もやり直しという状況だったので、すべて予定通りにやっていただけた事が本当にありがたかったです。
出来上がった防音室を最初にご覧になった際の感想をお聞かせ下さい。
もともとは和室だった場所なので、いざそこに防音室が出来上がってみると、子供も自分の家だとは思えない感覚だったようで、とても嬉しかったみたいです。
実はピアノ搬入まで2日間あったので、家族そろって防音室に布団を敷いて寝たんですよ(笑)
「この機会を逃したらもう二度と体験できない!」と思って。
静かな室内環境に加えて、1月だというのに暖房をしなくても防音室の中はとても暖かくて、良く寝られました(笑)今となっては貴重な思い出ですね。
冷静になって振り返ってみると、和室だったところに壁が立つことによって圧迫感を感じるかなと危惧していたんですが、まったく違和感がなくて、リビングに溶け込んでいるなと思いました。
久しぶりに遊びに来た友人も、リビングに入ってしばらくは防音室に気が付かなかったですから。
竣工から3ヶ月ほど経ちました。
お部屋を使ってみて、遮音性能や音響はいかがですか?
防音室でピアノ練習ができるようになって改めて気付いた事、それは”生活音”です。
これまでは人が動いたり喋ったり、電話が鳴ったりする中で練習する事に慣れていたつもりでした。
でも実はそういった生活音が気になっていた事が、今の環境になって分かったみたいです。
音響の面では、リビングスペースで弾いていた環境から閉鎖された部屋になった事で、音が籠ったり、自分の音が大きく聞こえたりするのかなと少し心配していました。
ところがそんな事は全くなくて、むしろ以前より弾きやすい音響になったようで、本人も喜んでいます。
室内に小さな机も置いてみたのですが、そこがとても集中できるスペースらしく、調音の勉強や学校の宿題もやったりしていますね。
防音室を造る前と後で、音を出す時間帯や練習環境は変わりましたか?
音を出す時間で言えば、比べ物にならない程多くなりましたね。
「休日の午前中は止めておこうかな」という事を考えなくて済むようになりました。
いまでは夜20時以降でも練習をしています。
本人も時間を忘れて練習している事が多くなって、気付いたら「あ!もうこんな時間!」という風になりましたね。周りを気にしないで練習できるようになったので、集中力も上がった気がします。
何より、ピアノの練習が楽しそうに見えますね。
これまでは時間に追われて「とりあえず譜読みからやってしまおう」と、焦ってピアノに臨む事が多かったですから。
練習のカリキュラムを自分でしっかり考えて、落ち着いて練習するようになりました。
「この時間でこれだけ練習しなきゃならない」から「ここまで練習したい」という、時間が後から付いてくる環境になった事が大きな変化ですね。
ピアノ室に入った時に、このスリット窓からちょうど外の青空とかも見えたりするんですよ。
練習している本人にとっても、閉鎖的な空間で音を奏でるのとは違って、正面に景色が拡がっていて気持ち良いみたいです。
防音室のある暮らしはいかがですか?
生活スタイルの変化やご家族の反応を教えてください。
子供が長く居る空間を快適にしてあげる事はとても大切なんだなと思いました。
また、メリットは演奏者本人だけではありませんでした。
これまではピアノ練習の時間帯はなるべく他の音を出さないように家族で気を付けていましたが、そういったストレスも無くなって、同じ空間に居る家族全体の自由度が増しました。
本当は家族全員に関わる問題だったんだなと改めて認識しました。
これから防音室を考えられている方にアドバイスがあればお願いします。
防音室の“位置づけ”と言えば良いでしょうか、、普段生活をしていく中で防音室をどうやって使っていくのか、実際の生活をイメージしながらプランニングしていくと良いと思います。
私たちの中では防音室を孤立した部屋にしたくなかったんですね。
これから長い時間を過ごす音楽室・・・
そう考えた場合、他の部屋ではなく必然的に和室部分が防音室という結論になりました。
防音室の入り口も、将来的に音楽教室として使うところまで考慮して、生徒さんが来た場合の動線が居住スペースに極力入りこまないように、今の位置に決めました。ここなら状況に応じてパーティションで目隠しできますよね。
- まずはこちらの思い描くイメージを業者さんに逐一お伝えする事。
- ちょっとした事でも、不可能と思える事でも、まずは相談してみる事。
DSPさんなら、たくさんの答えを提示してくれるはずです。そこからスタートして遮音性能等の技術的なお話を進めていけば、皆さんも理想的な防音室に近付けると思います。